2021-01-01から1年間の記事一覧

『多重対応分析』(オーム社)での「雲」という訳語について

小野裕亮・大隅昇 (2021年12月13日) はじめに 翻訳書『多重対応分析』(オーム社)での「雲」という訳語について,Twitterにおいて相澤真一先生から以下のようなコメントをいただきました. 対応分析のcloudの訳語を大隅昇先生らの共訳書『多重対応分析』…

E[Y11 Y22] = ψ E[Y12 Y21]を確認してみよう!

McCullagh, P. and Nelder, J.A. (1st ed.:1983, 2nd ed.:1989) Generalized Linear Models, Chapman & Hall の問題9.10における最初の問い(推定関数の期待値がゼロとなることを確認してくださいね,という問い)を考えてみました. もっとエレガントな解き…

厳しいテストについての私の拙い理解(久馬巌さんへの返答)

このブログ記事の内容は,他のブログ記事と同様,筆者だけに責任があり,所属組織は一切の責任を負いません. このブログ記事は,以下の久馬巌さんのつぶやきに対する個人的なリプライです. ちなみにTarotanさんはMayoのError Statistics についてはどうや…

1970年代赤池先生の I ≈ Jに対する意見について

このブログ記事に対しては,他のブログ記事と同様,筆者個人にすべての責任があります.所属組織は,一切,関与していません. このブログ記事は,黒木さんによる以下のつぶやきに続く一連のスレッドに対する応答です.長くなりましたので,Twitterでのリプ…

K. Pearsonの「記述」は,「記述統計学」の「記述」とは異なるだろう(たぶん)

執筆者:小野裕亮 2022年4月4日追記:統計学史の専門家から聞いた意見とアドバイスを,以下のブログ記事に述べています. <「統計学は科学の文法である」とKarl Pearsonは言った>および<K.Pearson=記述統計 vs R.A.Fisher=推測統計>という言説に関して -…

TwitterでのNeyman(1934)に対する事実誤認の訂正

Twitterで私が呟いた以下のスレッドが,事実誤認の可能性が非常に高いので訂正いたします. (1/11) 信頼区間についてまったく理解できていないので,検討外れでしょうけれども…内容を覚えておらず,いま該当の1文を読んだだけですが,「信頼区間」という言葉…

巷の慣習や教科書での統計的検定の扱いに対する先行研究

このブログ記事に対する責任は私個人だけに記します.所属組織は一切の責任を負いません. このブログ記事は,次に黒木さんの呟きに対するリプライです. 学部生向けの売れ線の教科書を引用して、それを単純に根拠とすると、ひどくミスリーディングな内容に…

検定や信頼区間の前提が満たされない状況に対して,テキストはどう助言してきたか?

このブログ記事は,他の記事と同様,筆者個人の意見であり,すべての責任は筆者個人だけにあります.所属組織は,一切の責任を負いません. このブログ記事は,履歴を残さず変更するかもしれません. 検定や信頼区間を導出したときに仮定した前提は,実場面…

Akaike (1982) On the Fallacy of the Likelihood Principle を読んで

はじめに このブログ記事では,以下の論文に対する個人的な感想を述べます. Akaike, H. (1982). On the Fallacy of the Likelihood Principle, Statistics and Probability Letters, 1, 75-78 同論文は,以下の論文集(pp.357-360)にも掲載されています. …