2023-01-01から1年間の記事一覧

Bayesの卵を割らずにBayes流オムレツを作る?? 〜1930年論文で読む信頼区間 vs 推測区間〜

お断り この記事で書かれている内容は,かなり特殊ななものです.通常の信頼区間を知らない人は読まないことを勧めます. はじめに このブログ記事では,Neyman流の信頼区間と,Fisher流の推測区間(fiducial interval)の違いを,次の2点に注目して解説してい…

Fisherだけに5%閾値の責任を負わせるのは少し酷な気がする

以下,記憶だけで書いたいい加減な話. 5%閾値を広めた責任者は,K.Pearson, Fisher, Neyman, Snedecor,そして,統計分析のハウツー本の著者ら,さらに,私自身も含めた統計関連従事者(←統計家や統計学者ではない)ではないだろうか.Fisherだけに責任を負…

歪度が共に0かつ平均が同じ状況で,分散が極端に異なる場合に,Wilcoxon検定の検出力はどれぐらい? (計算を間違えているかも)

以下,間違えているかもしれませので,適当に流し読みしてください. 2023/2/12追記:このブログ記事は,同順位がない場合(応答データが連続データである場合)で各群の標本サイズが等しい場合しか扱っていません. 入門的な教科書では,Wilcoxon検定の検出…

t検定を並び替え検定とみなし,その帰無仮説を「2つの母集団分布は同じ」とすべきという私の主張について

昨日,Twitterにて,(ある程度,標本サイズが大きければ)通常のt検定は並び替え検定として解釈して,その時の帰無仮説は「2つの母集団分布は同じ」とした方がいいだろう,と私が呟きました. 以下の引用リツイートを,黒木さんからしていただきました. #…

二項確率の「正確」信頼区間における保守性を,背後に一様分布を想定することで直感的に理解する

お断り この記事はすぐに削除するかもしれません. このブログ記事の目的 このブログ記事では,二項分布の確率に対する「正確」信頼区間が保守的になることを,二項分布の背後に一様分布を想定することで,直感的に分かりやすくなることを狙っています. 設…

メモ:<Fisherの有意性検定では,対立仮説を設定しない>という説明について

現代統計学史での統計的検定の紹介で,<Neyman-E.S.Pearsonの仮説検定では対立仮説を設けるが,R.A. Fisherの有意性検定では単一の帰無仮説しか立てなかった>と説明されることがあります. まず,私自身がたびたびそのように説明してきました(口頭でしか…

メモ:分割表のPearsonカイ2乗検定が行和も列和も固定して導出されている件について 〜 2つの独立な二項分布を例にして〜

このブログ記事では,2つの独立な二項分布を例にして,分割表に対する統計量が,行和および列和の両方を固定した上で導出されていることを説明します.ここでは,次の3つの導出を紹介します. 多変量正規分布で近似して,多変量正規分布の条件付き分布から導…

<95%信頼区間の「95%」は確率ではない>と主張するとしたら,どのような理由があるか考えてみました

このブログでは,TJOさんによる以下の記事を踏まえて,<95%信頼区間の「95%」は確率ではない>と主張するとしたら,どのような理由が挙げられるかをちょっとだけ考えてみました. 95%信頼区間の「95%」の意味 - 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブロ…